2013年7月20日土曜日

リア充爆発しろ!とは。13-1.

13-1.リア充爆発しろ!とは。

あの日、アイスを食べていれば……。東丸は、あの日からアイスは食べてなかった。シューアイスは食べていた。あの日、コンビニで買う予定だった。かもしれない。棒付きの一〇〇円から一六〇円の間くらいのアイスは、意識的に避けていたかも知れない。

「な、なぁ、やっぱり……あの日。」

「ほらほら、何をごにょごにょ言ってるの。そうと決まったら、行きますよ?」

雪乃もどこか、それ以上の話題の言及を避けた感じがあった。宙に浮いた状態で東丸の肩をぐいぐいと押す。そして、珍しいことに空中で、ずるりと足を踏み外した。どうなってんだ、これ。

「ひゃ!」

「うわ!」

東丸は、この時のことを一生忘れないであろう。どれくらいの人間が、その短い生涯の中でそういった体験をするのだろうか。相手が幽霊であることが一番特異的ではある。それは差っ引いたしても女の子がドジしてずっこける。とっさに後から抱きつく。そして、胸と背中がぶつかる。そう、おっぱいが触れる。首筋に髪の毛もかかる。

その前から気温により東丸は、体温でじんわりしていたが、その瞬間にさらにじんわりすると思われた。ただ、幽霊のおっぱいが背中に触れる。感触と弾力と、その次に分かったことは幽霊には体温はない、ということだった。いや、分かっていたことを再確認した。リア充爆発しろ!とは言い難い案件である。

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